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2011年10月10日月曜日

第三話「死」について(3)

私は膵臓ガンという病気が一日中のしかかりました。その日の夕方には、内視鏡を喉から入れて、患部にまで通し、膵臓に針で刺して細胞を採取するという、生体検査が行われました。
私は鎮静にさせられていましたが、そばにいた妻が言うには、電子顕微鏡で細胞を見ている医者が叫び出したというのです。なぜならば、膵臓ガンが極めて珍しい形状であり、外科的手術によって摘出可能であることがわかったからです。
私は手術を受け、こうして、現在健在なのです。
このことは私にとっては、これまでに直面した中で最も真近な「死」でした。今後の二〜三十年においてもこれが死に最も近いことを望んでいます。このような経験から、死に対して、有益であるが純粋な知的概念としてとらえていた頃よりは、多少は確信をもって君たちに語ることができます。




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